思考錯誤

細かいことを気にしてしまう

国内外個人的チェスニュース

【世界1】Tata Steel(Giriが優勝)

(1)前置き

 伝統的な大会の1つであるTata Steelが行われた。休みの日などを含めると約2週間の日程だ。Mastersが一番上のクラス。位置づけとしては、テニスでいうところの4大大会の一角のような感じだろう。Tata Steelについては日本語のウィキにも書いてあるので、歴史等が気になる人はそこで調べてほしい。当然だが優勝しているメンツがレジェンドしかいない。

(2)Nodirbekの活躍

 今回この大会を盛り上げた一人は間違いなくNodirbek(ウズベキスタン)である。Round1でRapport(※イケメンなだけでなく創造的な手もありファンも多そう)に黒に勝ち、Round5ではCarlsenに黒で勝利し(しかもクイーンエンドゲーム)、最終日までトップを走っていた。最後にGiriと同じくオランダのJorden Van Foreest(※去年のこの大会の覇者)に敗れて惜しくも優勝を逃したが、8ptでCarlsenとともに2位は強すぎる。FIDEレートも18位まで上がっている。

 

 

(3)Giri優勝

 長年勝っていなかったCarlsenにも勝利した上、Dingにも勝利。インドの若手GukeshとルーマニアのRapportにも勝利、他はすべてドローで負けなし。

トップを追走しつづけ、最終ラウンドでNodirbekを抜いて遂に8.5ptで優勝した。レート1位と2位に勝って優勝は文句なしであろう。何度も優勝に近いポジションにいながら届かずということがあったからか、チェスファンは盛り上がっていたようだ。

 

 

(4)その他

 今回Mastersクラスにはインドのプレイヤーが多く、改めてインドの強さも垣間見える。また、MastersクラスやChallengerクラスのいずれにおいても、興味深い変化を採用しているゲームがある。中級者以上であれば、細かい点はさておき、棋譜をみて雰囲気を感じるだけでも面白いかも?

 そしてチェスは棋譜見放題である(日本における将棋や囲碁との大きな違いか)。その上、Chess24やChess.comのYouTubeにおいて(Super)GMが解説している(※当然英語だし長尺な点は注意)。筆者は英語が得意ではないので、時折みる際は解説の候補手や矢印をみたり、良い悪いくらいをがんばって聴きとったりするぐらい。それでも、GMの早見えの凄さを感じた。

 

【世界2】チェス、世界的人気上昇か

 チェスが世界的に人気になっているらしい。チェスセットが売れているらしい。Chess.comはむっちゃ人がいるし鯖落ちもした。なお、個人的にはChess.comでブリッツをしていたら、鯖落ちしてピースアップの対局がなかったことになってしまったのは非常に痛い。

AUTOMATON(オートマトン) on Twitter: "【ニュース】人気オンラインチェスサイト、ユーザー数爆増で1日の利用者1000万人に。世界レベルのチェスブーム到来 https://t.co/0kCJEH96QU https://t.co/oyacj80z5I" / Twitter

 

【世界3】世界王者決定戦の開催場所が決まる

 Carlsenが辞退?し、DingとNepoの二人が対戦することになったものの、最近までどこで行われるのか判明していなかった。先日、カザフスタンのAstanaで行われることが発表された。4月7日スタートのようだ。

 

【日本1】全日本選手権の予選がはじまる

 直近で行われた中四国では牧野さんが優勝。将棋の棋士なだけでなく、連珠などでも活躍されており、ポテンシャルと努力に感服せざるをえない(前日公式戦の対局後に2日間の参加もすごい体力だ)。

 また、来月の東京選手権では2000オーバーが7人参加予定でハイレベルな戦いが見込まれる上、絶対実力的にはもっとレートあるだろこの人って人もいるので、激戦必須だろう。Chessresultsでは千葉などのメンバーも把握できるので、そこらへんが気になる人は要チェックだ。

 なお、全日本予選はオープンの大会(※レート等の条件がなく、年会員や一大会会員なら誰でも参加できるもの)であるが、NCS(日本チェス連盟)は、ルーキーズやステップアップといった大会を開催し、敷居が高そうと思われがちな大会参加を促進している。普及面だけでなく、いきなりガチ大会は…というプレイヤーの不安を払拭する面でも良いことだと思う。

 

【日本2】チェスができる場所、徐々に増えている

 NCS公認クラブも最近追加されたほか、会員であるかにかかわらずフランクに参加できる場も増えている。非常に良いことである。

 といっても、初参加者目線としては、どの分野であっても初めての場所にOTBや教室に行くには勇気がいるだろう。私自身も、最近久しぶりにOTBに復帰する日むっちゃ緊張した。知り合い等がいるならまだしも、純粋にはじめてなら尚更だろう。

 そのような人が少しでも勇気をもって教室やOTBに参加することができるように、工夫できるところはしていきたい(この点に関しては長くなるのでまた改めて)。